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日本人には栄養療法が馴染みやすい 栄養医学研究所所長 佐藤章夫
日本の医師の中にも米国の大学やクリニックで栄養療法に触れ、充分に知識を習得されているドクターは少なくない。では何故このようなドクターが日本において栄養療法を広く実践していないのか。この背景には保険外診療が受け入れられない制度上の問題と、護送船団方式の医師会の問題があるという。
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米国には一般医学教育に加え、栄養学などの専門教育システムがある |
先頃、日本内科学会が健康食品、民間療法など、いわゆる代替医療のエビデンスを調査する委員会を設置したとの報道がありました。背景には、患者が飲んでいる健康食品や民間治療を、処方薬と併用しても問題がないかを聞いてくるケースが非常に多くなっており、医師側もそのエビデンスについて対応せざるを得ないという事情があるようです。では果たして健康食品の効能についてのエビデンスだけが判断できれば良いのでしょうか。確かに健康食品やサプリメントについて日米で比較した場合、エビデンスは重要なファクターになっていることは事実です。
しかし、決定的な違いは「知識」と「認識」そして、"医健分業"という立場を崩さないところにあります。以前からこのコラムでも指摘しているように、米国には専門教育システムがあります。一般医学教育に加え、栄養学、カイロプラクティック、指圧、気、ハーブ学などの専門的教育が大学におけるカリキュラムで学べ、資格を取得し、その資格を認定する州政府は少なくありません。
そして、市民権を得てきたこれらの専門スペシャリストにアクセスする市民は、ついにコンベンショナルな医療にアクセスする人数を超えるに至っています。健康食品、サプリメントを販売する側、購入する側についても、このようなスペシャリストの存在があるが故に、安心して指導を受けフォローも可能になります。不道徳な企業が全く無いわけではありませんが、「これを飲めばがんが治る」「これを飲めばリウマチが治る」など、医療の土俵に踏み入る行為を行わないことが鉄則です。健康食品、サプリメントを扱う企業の多くは、ND、CCN(臨床栄養学)などのスペシャリストを雇用し、「健康産業」と言う土俵において、医療とは一線を画しているように思います。
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やがて日本にも大きな医療革命の波が |
健康には、最良最適な健康から、いつ病気になっても不思議ではない「元気な病人」まで幅広いレンジがあり、この「元気な病人」に近い人々を最適な健康(Optimal Health)に導く役目をするのが米国の「健康産業」の姿ではないかと思います。米国で栄養療法に触れてきた経験を踏まえて言えば、日本人には栄養療法が馴染みやすく、過不足する栄養素を調整して疾患を治す栄養療法の受け入れ素地は充分にあると確信します。
最後に、今後日本で栄養療法を実践する施設が増えると感じる背景には、現在米国に留学し、NDやCCNを目指している若い世代が少なくないことを紹介しておきます。彼らの中には、日本にも大きな医療改革の波がくることを感じている学生が少なくありません。また、その多くがいずれ日本で栄養療法を紹介し、実践したいと願っているのです。 (終)
(Medical Nutrition36号より)
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