水銀中毒が自閉症に関与
 栄養医学研究所所長 佐藤章夫

多くの慢性疾患と同様に、自閉症の大部分の症例は、いくつかの環境問題が引き金となり、遺伝子病因とあいまって引き起こされるように思われます。自閉症発生率に関して最近発表された報告では、250人に1人の小児に自閉症の「流行」が見られるとされています。事実、Dr・ライトのタホマクリニックを訪れる小児自閉症患者の数も増加傾向にあります。


 キレーション療法による改善

1999年にカリフォルニア州政府に提出された報告書によると、小児の自閉症は年々増加しており、その発生率は人口増加率とほぼ同等のものであるとされています。Dr・Yazbak(F.E.Yazbak・MD)は、彼の著書である「Autism99A National Emergency」で、他の州でも同様の小児自閉症発生率を報告しています。しかし、小児科医師は、自閉症の発生要因が個人の環境および行動に依存するため、単純にはこの「流行」説を受け入れがたいとは思いますが、何らかの手がかりになることは疑う余地はないでしょう。

Dr・Bernardらは、臨床検査によって水銀中毒と自閉症の兆候、症状の分析を行い、水銀中毒症と自閉症の間には明白な因果関係があることを突き止めました。この報告は、それ以前に報告されている、体内に蓄積された水銀を除去排泄することによって自閉症症状が改善された症例と適合しており、事実、今日の自閉症の多くの症例が水銀中毒と関係があると証明されています。私が昨年末にタホマクリニックへ紹介した4歳の自閉症女児は、爪および毛髪分析の結果、その原因が水銀中毒による可能性が非常に高いことがわかり、Dr・ライトによるキレーション療法を受けた日本人では初めての患者です。帰国後もDr・ライトのフォローを受け、自閉症特有の多動性行動、発語遅延が驚くほど改善されています。

 環境内のどこにでも存在する水銀

これら水銀中毒症例をもつ小児の多くは、生後の早い段階から水銀の暴露を受けていました。では、胎児または幼児がどうして水銀に暴露するのでしょうか。第一に、水銀は我々の環境内のどこにでも存在すると言うことです。例えばそれは我々の飲料水にあります。飲料水の場合、主として陽イオン(1+または2+)の形で存在しています。次に食材があり、魚介類は有機水銀(メチル基を含む水銀)のソースとしては有名です。かなりの有機水銀は、胃腸器官系によって吸収されます。これら2つの水銀暴露経路は一般的にも知られているもので、絶対量としてはそれほど多いものではありませんが、虫歯治療で使用されている歯のアマルガム、ワクチンに含まれているチメロサールによる暴露量は、水や魚介類をはるかに上回るものです。口腔内のpHバランスが崩れること、また、アスコルビン酸をタブレット、顆粒、液体で摂取することで、口腔内にアスコルビン酸が一時的に滞留し、歯のエナメル質が溶解し、歯に詰めたアマルガムが水銀蒸気として析出されます。この水銀は、容易に胎盤を横切るということが知られています。

米国では、胎児、幼児、小児の水銀暴露の機会が多く、自閉症が「流行」と考える妥当な理由と見られています。疫学的な調査が十分行われていないことから全ての子供たちが同じような影響を受けるとは言えませんが、最近の調査では、少なくともチオネインと言う金属性物質との関係が示唆されます。

(Medical Nutrition 31号より)


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