腸内環境の改善に乳酸菌マイクロ熟成エキスを使用。
 医師こそ「食」の勉強を。

 中村クリニック

大阪市の市街地・天王寺の地で東洋医学を実践している中村クリニックでは、 消化器系の新しい疾患概念である 「機能性胃腸症」 に対して、 腸内環境の総合的改善を土台とした治療を、 乳酸菌マイクロ熟成エキスを中心に行っている。 院長の中村和裕医師を訪ねた。


 消化器調整には食品活用が効果的。

クリニックの開業は、 今から11年前の1994年にまでさかのぼる。 大阪の市街地の中心ということもあって周辺に医療機関は多いが、 普通の医療機関では検査しても原因がはっきりしない 「体調不良」 を訴えて受診する患者が後をたたないという。 臨床現場の医師は、 腸内環境の改善を土台にしないと治療効果もあがらないという基本を知らない、 もしくは忘れているために、 日常の食を土台にした体質改善のノウハウをもたないまま、 医薬品のみの治療に専念しているのが現状だ。

そこで、 中村医師は一般の医療機関での適切な医薬品による治療効果を最大限に引き出すための 「腸内環境改善」 に重点をおいた診療を行ってきた。

実際、 検査結果からは明らかにされない体調不良や、 不定愁訴などの症状が長期間改善されないケースでは、 機能性胃腸症と呼ばれる慢性的な胃や腸の機能的不調が関係している場合が多く、 そのような場合には、 むしろ医薬品を乱用するとかえって症状が悪化してしまう危険性があると中村院長は指摘する。

「医薬品には相性というものがあります。 腸内環境を改善してからでないと必要な医薬品も相性が合わなくなり、 副作用も出やすくなることが多いのです。 機械的に病名と検査データだけをみて医薬品の出しっぱなし処方をする、 あるいは漫然と医薬品を乱用処方するのは医師とはいえません。 西洋薬よりは漢方薬の方が安全だと勘違いされている方も多いのですが、 漢方薬の処方の中でも、 相性をきちんと判断して処方しないと病状を悪化させてしまうことがあるのです。 そこで食品の登場となるわけです。 食品こそ本来、 胃や腸で消化・吸収されて栄養になるものなので、 これら消化器の状態を整えるにはかえって食品を活用する方が効果的なのです。 漢方医の世界でも、 日常食として体質を強化できるような漢方薬の処方を上薬といい、 この上薬の調合ができない漢方医はレベルが低いとみなされます」。


 腸内細菌バランスの改善で健康に。 

腸内環境を改善する食品のなかでも、 中村院長がクリニックで特に推奨しているのが乳酸菌マイクロ熟成エキス。 無農薬有機栽培の国産大豆と非加熱の天然水を原料にして、 乳酸菌をはじめとした有用微生物の共棲で3年間発酵熟成させて生まれるもので 「バイオジェニックス」 に分類されるものだ。

(表)NPO法人全国医学療法師会の主な事業活動

(1) 現代医学と東洋医学、 各種民間療法相互間の緊密な連携と協働システムによる 「真の医療」 実現

(2) 地域社会におけるホームドクター制度の確立と普及

(3) 安心安全な機能性健康食品と健康機器の普及

(4) 漢方や民間医薬の合理的な活用と普及

(5) 簡便な健康診断や治療法の研究と普及

(6) 予報医学や医療知識の普及、 信頼できる医師等の情報普及

(7) 漢方医や各種療法師の資格認定及び授与

(8) 人の持つ潜在能力の引き出しや活性化

(9) 地域社会における緑豊かな自然環境保全のためのトラスト運動

(10) 子育て支援のための24時間保育

(11) 子育て相談、 父母教育

(12) 関連・提携する民間団体の支援

(13) 上記各号に付帯する必要な活動

「私自身、 医学生時代に大病を患って困り果てていたときに、 食品栄養に詳しい義姉から腸内細菌のことをはじめて教えてもらい、 晴天の霹靂でした。 腸内細菌のバランスを改善すると健康になるというのは全く知らない世界のことでした。 そして、 その腸内細菌のバランスを整えて腸内環境を改善する食品が約80年以上も前から研究されていたということも知りました。 乳酸菌そのものだけよりも、 発酵熟成に関与する多くの微生物の共棲によって生み出される分泌物に何かありそうだと思ったわけです」。

日本では、 平成9年からの5年プロジェクトで 「腸管機能についての基礎研究」 が国策として推進された。 その結果、 平成15年くらいから、 腸管免疫という言葉は医学界でクローズアップされてきた。 2年前に行われた 「第6回日本補完・代替医療学会学術集会」 でも、 中村院長は新潟大学医学部の安保徹教授らと共同で、 乳酸菌マイクロ熟成エキスの腸管免疫活性化への影響を発表、 注目を集めた。

試験はC57BL/6マウスに乳酸菌マイクロ熟成エキスを投与した結果、 小腸の上皮間リンパ球中のCD8+TCRαβ細胞を有意に増加させ、 IFNγとIL-4の産生を誘導したことが判明、 腸管リンパ球の中で最も進化したものとされるCD8+TCRαβ細胞や、 自然免疫の主役のマクロファージを活性化させるIFNγ、 B細胞の刺激因子とされるIL-4をそれぞれ増加させることから、 乳酸菌マイクロ熟成エキスの投与によって腸管免疫を総合的に活性化することが明らかとなった。


 病院・診療所と療術の連携を。 

現代医療と民間療法の融合を――中村院長は現在、 医師と療術師とのタイアップを実現するNPO法人全国医学療法師会を申請中である。

「具体的には、 西洋医学・東洋医学問わず、 地域のホームドクターと療法士が連携して地域住民の疾病予防に役立てていければと考えています。 まずは、 食品 (サプリメントも含む) と水でどれだけ病気を改善できるかということにチャレンジしてみたいですね。 そうすれば、 医療の専門家がほんとうにしなければならないことが、 逆に明確になってきます」 ――全国医学療法師会の活動は今はじまったばかりだ、 会員も広く募集している。


プロフィール
 中村 和裕 (なかむら・かずひろ)
1952年静岡県生まれ。 79年に京都府立医大卒業。 京都堀川病院で、 救急医療・老人医療の研修をする。 82年、 阪神医生協第一診療所所長として、 プライマリーケアを担当。 94 年に中村クリニックを開設して現職に就く。

(Medical Nutrition 81号より)


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