代替医療の普及・浸透へ向け、医師からも有効データのアナウンスを! 要町病院
「和顔愛語」 の精神をモットーに、 さまざまながん患者の疼痛管理、 精神的ケア、 在宅医療などの緩和ケアを行なっている要町病院。 ペインクリニックでは光線療法の第一人者であり、 がんの緩和ケアでは代替医療を取り入れるなど、 常に新しい領域への挑戦を続ける吉澤明孝副院長に話を聞いた。
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メシマコブとの出会い。免疫力アップに注目。 |
私の専門は麻酔科で、 現在、 この病院では内科・ペインクリニックを担当しています。 以前癌研病院にいた経緯もあり、 癌専門病院からは再発患者さんや緩和ケアを必要とする患者さんの受け入れを頼まれます。 初めは頭頚部がん患者の抗がん剤治療・緩和治療を行なっていたのですが、 化学療法を軸に消化器がん、 乳がんへと守備範囲を広げ、 今ではがん一般を診療しています。
治療にあたっては代替療法を取り入れメシマコブを使用しています。 メシマコブとの出会いは平成10年、 友人からの誘いでメシマコブ研究会に参加したことから始まりました。 会に出てみて感じたのは、 データの学術性が弱く、 有効だといえるデータがないということでした。 このときメシマコブを研究している(株)笙嘉生命科学研究所 (奈良県) と知り合って 「データを取るのに協力してほしい」 という依頼がありました。 それ以来、 抗がん剤使用の患者や末期がん患者のうち希望する方々の代替療法としてメシマコブを取り入れ、 その臨床データを取るようにしています。 実際に使ってみて言えるのは、 メシマコブには免疫力を上げる作用があるということ。 データとしてはまだ数が少ないもののNK細胞活性の上昇が認められる。 抗がん剤の副作用が抑えられる。 免疫力が上がることで抗がん剤治療・放射線治療の効果が上がるなどの点があります。 使用目的はあくまで外科・化学・放射線といったがん3大療法のサポートとしての利用です。 また、 摂取にあたっての注意点としてはメシマコブには即効性はないので、 手術や抗がん剤投与の1ヶ月くらい前に飲んでもらうようにした方がよいと思っています。 NK活性を維持して外科・化学療法に臨んでもらうのがベターだと考えます。
国立病院四国がんセンターの兵頭先生が実施したアンケートでは6〜7割のがん患者さんが医者に内緒で健康食品を摂取しているというデータが出ていますが、 医者としてはエビデンスがないのでやはり勧められないというのが実状です。 これはエビデンスを取らない医者もよくないし、 作っている業者もよくない。 それで患者がいちばん迷惑しているというのが日本の代替医療の現状だと思います。
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代替医療の現状とこれから。混合診療の認可がカギ。 |
アメリカでは国を挙げて代替療法の研究開発に予算を組んでいるのに、 日本、 厚労省は伸ばすどころか逆に締めつけようとしているのが現実です。 また、 医師会やがん専門のオピニオンリーダー的な先生たちは"抗がん剤と併用してよいというEBMが欠如している"と認識しており、 医療訴訟問題など、 皆が過敏になっている時代ですから、 使って問題を起こすのも怖いと考えるわけです。
代替医療は、 きのこ食品、 新生血管を抑えるとされるイソフラボン、 アポトーシス誘導食品、 その他、 免疫療法に至るまで、 自費で行なう全ての療法に対して、 今後、 混合診療が認められない限り陽の目を見ることはないと思います。 混合診療が認められれば、 たとえある程度の金額が必要になるとしても代替医療は市民権を持ち、 普及浸透していくことになるでしょう。 しかし、 医師会サイドから見れば、 代替療法が混合診療として認可されてしまうと、 混合診療をやっているところが伸びて、 保険診療だけのところが伸びなくなってしまう。 公平・平等な医療の提供を理念に掲げる医師会としてはこの点を危惧しているわけです。
いずれにせよ、 混合診療が認められない限り、 健康食品が医療現場に出にくい事態は変わらず、 EBMの構築も進まず、 データがいいかげんでも販売力に長けている業者の跋扈は避けられないでしょう。 実際に今、 私は笙嘉さんのメシマコブ (SHOME) を使っているのですが、 全然違う業者がそのデータを製品パンフレットに掲載して商売に利用しているというケースがありました。 メシマコブといっても産地、 栽培法などで成分も変わってきますから、 こういったデータの使い方は本来できないはずなのですが、 メシマコブは食品ですから、 これを取り締まる法律がない。 また、 値段も商品によってずいぶん違いますよね。 患者さんから 「先生、 こんなに安くていいんですか? 効くんですか?」 と言われることがあります。 高い方が効く。 ありがたみがあると患者さんは思ってしまうのですね。
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医療現場における代替医療の役割とは? |
代替医療がより認知されていくためには混合診療の認可が必要だと言いましたが、 それには学会で発表するようなオピニオンリーダー的な先生が、 有効だと思われるデータを出して、 発表するようにならないといけないでしょうね。 私なども和漢医学会、 東洋医学会で研究発表をしたのですが、 実際、 医師団体内でかなり反響がありました。 医者が機会あるごとに示していくことが重要だと思います。 では、 医者たちは代替医療に対し、 肯定的な見方をする人は大学病院、 大病院、 専門病院の医師の中で見てみるとかなり少ない。 10人のうち1人いるかいないかといった状況です。 かと思うと、 自分のところでやっている西洋医学ではお手上げだから、 代替医療、 免疫療法を行なう診療所をそれとなく紹介するといったケースもあるようです。
私の方から現時点でいえるのは、 メシマコブはじめキノコ食品のサプリメントの用途は基本として、 3大療法の副作用を抑えるなど補完的なものであるということです。
治療を補完するものとして考えると、 がんという特定の疾患にどどまることなく、 免疫が低下している患者さんには使ってもらって、 手術前に体力を整えるといった用途も今後、 期待できると思います。 現に私の病院では、 慢性呼吸不全の患者さんにも使っていますしね。
プロフィール
吉澤 明孝 (よしざわ・あきたか) 1985年日本大学医学部卒。 同大麻酔科、 癌研究会付属病院などの勤務を経て、 現在、 要町副院長として内科・ペインクリニック・在宅医療を担当している。 |
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(Medical Nutrition 64号より)
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