「生活環境病」に取り組む有害物質の予防と解毒。 南越谷健身会クリニック
埼玉県東部に4軒のクリニックを運営する医療法人健身会。 「健やかな心・身づくりの啓蒙と実践」 の理念に基づき、 地域医療を基盤にユニークな活動を展開している。 理事長の周東寛医師は、 生活習慣病とは異なる 「生活環境病」 の提唱者として本も出版している。 今年3 月に開業した南越谷健身会クリニックで話を聞いた。
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増加する 「生活環境病」。生活習慣病とは違い治療に難渋。 |
生活環境病は、 有害化学物質や環境ホルモンなどによる生活環境汚染が症状の原因になっている疾患群を指す。 例えば食品には、 食品添加物、 環境ホルモン、 有害金属などが含まれているし、 農薬や抗生物質が残留している可能性もある。 そして食品以外にも、 我々を取り巻く有害物質は枚挙にいとまがない。 「これらが体内に摂取、 蓄積されることで、 生体に異常を来すのです。 生活習慣病は、 自らの努力で習慣を変えればある程度の成果が期待できるが、 生活環境病は個人の力ではどうすることもできない要素を含んでいて、 より治療に難渋することが多いですね」 と周東理事長は解説する。
具体例として、 肺がんや気管支喘息などの呼吸器疾患、 アレルギー疾患、 化学物質過敏症、 慢性疲労症候群 (CFS) などを挙げた。 「CFSは、 気持ちのたるみや怠けているためと患者本人も自分を責めるケースがありますが、 決して患者のせいではなく、 有害な化学物質によって体や脳が傷害されているためと考えられます」。
有害物質の一つに水銀やヒ素などの有害ミネラルがある。 そのスクリーニングとして、 同院では毛髪中の有害ミネラルの含有状況をチェックしている。 これまでの毛髪検査は検体を米国に送って分析を依頼していたが、 日本の研究所で検査ができるようになったので、 より早期にしかも日本語で分かるようになった。 費用的にも安く済む。
対象となる疾患はアトピー性皮膚炎を始めとする皮膚疾患、 膠原病、 糖尿病、 高血圧、 動脈硬化症、 アルツハイマー、 パーキンソン病、 肝障害、 そしてがんになりやすい体質などだ。 「検査をすると、 ベリリウムは工業地帯に住んでいる人では高くなる。 大気汚染に関連するからでしょう。 魚を多く食べる人では水銀が、 たばこを吸う人ではカドミウムが高い。 現代人では、 有害ミネラルがゼロに近い人は少ないのではないか」 と周東理事長は話す。
有害物質の解毒法として、 (1)食物繊維と葉緑素の摂取(2)腸内善玉菌を増やす(3)野草酵素の摂取(4)キノコと朝鮮人参の併用――などをアドバイス。 食事についても、 できる限り生で食べることを勧めている。 その方が酵素の力が生かせるからだ。 こうした治療を半年間続け、 毛髪検査を再度施行すると、 ミネラルバランスが改善しているケースが多いという。
さて、 解毒よりも重要なのは予防で、 有害物質を体の中に入れないことを考える方が合理的だ。 有機栽培の野菜を食べる、 食品添加物の記載に敏感になるなどの対策をとる。 しかし農薬は食品添加物と違って表示がないため、 実際にどれくらい残留しているかわからない。 その対策は、 調理の前に流水で洗うことと、 こすり洗いが可能なものは30秒ほどスポンジで洗うこと。 熱湯でゆでてその汁を捨てるのも一法である。 ただし、 あまり長くゆでると、 含まれるビタミンが壊れるので時間は1分以内がよい。 よく噛んで食べることも大切。 唾液に含まれる成分によって、 食品中の有害物質を解毒する働きが期待できる。
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先端医療と並行して各種の補完代替医療も。「楽しい医院」で幸せに。 |
健身会の歴史は昭和61年、 東武伊勢崎線せんげん台駅の 「駅ビル医院 『せんげん台』」 から始まった。 駅ビル医院とは言っても、 現在はヘリカルCT、 CT、 腰椎骨密度測定器などを備えたハイテク診療所だ。 その後、 大袋駅 (大袋医院)、 武蔵浦和駅 (健身会タワークリニック) といずれも駅近くに診療所を開設し、 地域のかかりつけ医として貢献してきた。
そして今年3月、 4ヵ所目のクリニックとして南越谷がオープン。 総合健診センター、 がん研究センターなどの機能を兼ね備え、 高度な設備による疾患の早期発見・治療を意図した。 主に検査入院、 教育入院に対応すべく19床を有している。
そうした先端医療と並行して、 解毒法でも触れたように各種の補完代替医療を行うことも多い。 院内の売店では、 アガリクス・ブラゼイや米ぬかアラビノキシラン、 新型乳酸菌などの各種サプリメント、 健康茶、 野草酵素製品などが並んでいる。 体内からの有害物質の排泄や体内免疫を高めるものが主である。
周東理事長の外来日には、 生活習慣病や呼吸器疾患、 アレルギー疾患、 腎疾患、 がん、 婦人病、 種々の不定愁訴、 メンタルケアを必要とする患者など、 多くの慢性疾患患者が訪れる。 脳腫瘍や膵がんで大病院から見放された人もやってくる。 「とにかく、 心の元気を取り戻してもらう。 大それたことができるわけではありませんが、 患者さんは誰かの支えが欲しいのだから、 心を込めてケアするだけでもだいぶ違うと思います。 同時に、 家族に対するケアも大切です」。 そのため、 毎月1回は院内カラオケ大会を、 年2回はバス旅行を実施し、 患者やその家族が参加する。
高度な機器をそろえる一方、 「楽しい雰囲気」 を作ることにも心がけている。 周東理事長は 「人々を健康にかつ幸せにすることがテーマ」 と語った。
プロフィール
周東寛 (しゅうとう・ひろし) 昭和27年生まれ。 昭和53年昭和大学医学部卒業。 昭和55年同大藤が丘病院呼吸器内科入局。 医学博士。 昭和大学医学部兼任講師。 |
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(Medical Nutrition 第55号より)
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