「霊性」にも働き掛ける医療を実践。 三位一体医療で患者中心の治療法に、「偶然」「運」にも目を向けた診察を―― 八街こどもクリニック
これからの医療は患者様を中心に考えていくべき。医師が一方的に診断を下すのではなく患者様と一緒になって――。こう話すのは千葉県八街市の八街こどもクリニック院長の向後利昭医師だ。EBM(この場合、西洋医学)とCAM(相補・代替医療)、そして自身の造語であるASG(Awareness of Something Gienf、気づき)の3つを組み合わせた「三位一体医療」を提唱する向後医師に自身の取り組みを聞いた。
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子供の頃の体験から「偶然」、研究の中から「運」に注目。 |
向後氏は小学2年生の時に腎炎・ネフローゼを発病。入院した病院で「治らない」宣告された経験を持つ。しかし、転院したところ回復。その後再発もなく現在に至るという。
「初めに入院した病院も転院した先も同じ大学の先生でした。治療法が大きく変わったわけでもないのに治癒したのです。こんな経験から病気が治るときに『偶然』がかなり絡んでいるのではないかと考えるに至りました」
千葉県内の高校を経て、旭川医科大学卒業後、千葉大学医学部小児科医局(現:千葉大学大学院小児病態学)に入局した向後氏は専門を遺伝子治療に定め、小児先天性代謝異常症の研究に当たった。研究対象疾患は、OTC(オルニチントランスカルバミラーゼ)異常症で約8万人に1人の割合で発症するという。しかし、約10年に渡り研究し得た結論は「この病気は遺伝子治療では効果が期待できない」というものだった。
「研究の限界を感じました。そして、医療の場でも『運』を考え合わせる必要があると思ったのです」「患者の病院に対する満足度は欧米に比べて低い」と向後氏はみる。向後氏はこれからの医療では、PHYSICAL(身体)、MENTAL(精神)、Social well-being(社会性)に加え、SPIRITUAL(霊性)に働き掛けるというWHOの提案の必要性を強調する。
「これから、実践していきたいのは(1)小児における自然療法(2)ハグヒーリング(3)サイマティクス(音を使った療法)の3つです」
ハグヒーリングとは向後氏の造語で霊性に働きかける治療法のこと。医師が、患者の霊性(無意識、魂、あるいはエネルギー体などといわれるもの)に働き掛け、各チャクラ(人体を一種のエネルギー体と見た時にエネルギーが集中する体内7または8つのポイント、神経叢)にエネルギーを注入して、無意識からの治療を試みるものだ。これまで、ハグヒーリングでネフローゼ患者のタンパク尿の改善の経験を持つという。「私は意識体に働きかけるとき、ある種のエネルギー体を使っていると考えています」
向後氏によると、ハグヒーリングとは患者の霊性をエネルギーにハグ(抱擁)してもらう治療法なのだという。
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これからはEBM、CAM、ASGが融合した三位一体医療に。 |
向後氏は、治癒するために必要な要素としてEBM、CAM、ASGの3つをあげ、これらが融合した形の三位一体医療を提唱している。
EBM――現代西洋医学は救急時に最大限に効果を発揮するが、現代医学は慢性疾患に太刀打ちできないものも多い。しかし、現代医学では治せない病気でもCAMならばどうか。実際にサプリメント療法や民間療法で、がんや膠原病などが完治するケースが数多く報告されている。
「ガジュツやツルボエキスを使って多くの病気・ケガを治療する方がいます。私もアトピー性皮膚炎をほぼ数日で完治してしまうクリームを使っています。これは皮膚だけではなく、交感神経系を賦活させるらしいのですが、自然物が原料ですから、この場合、現代医学に当てはまるような副作用の心配はないか極めて少ないと考えられます」
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自然療法に、波動理論やO-リングテストも。 |
向後氏の自然療法ではマヌカハニー(ニュージーランド産のハチミツ)やヌチマース(沖縄産の天然塩)などの自然食品を使用している。
「食塩の取り過ぎは健康に良くないと言われていますが、この塩は逆にナトリウムや重金属を排出する働きがあります」
一般的な食塩は化学合成されたほぼ100%の塩化ナトリウムだが、この塩は独特な方法で海水から生成した天然物で30%が天然ミネラル。この塩ならば本来の食塩の働きが期待できるというわけだ。
ちなみに、こういった食品などを波動測定すると、高い値が得られるという。また、投与する際にはO(オー)リングテストで適量を量っているという。
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「運」をも開くカギ、ASG(気づき)とは? |
さて、三位一体医療の3番目の要素、ASG(気づき)とはどのようなものなのか。言葉自体は造語だが、要するに前述した「偶然」「運」といったものに患者がアプローチするということになるだろうか。
「『宿命』は命を宿すと書いて変えられないものです。しかし、『運命』は命を運ぶと書きます。動機と自由意志があれば変えられるものなのです」
ただ手をこまねくだけでは「気づき」は得られない。人とのつながりや出会いの場を広げることで「運」が開けるのだという。「絆」の形成がカギなのだ。
プロフィール
向後利昭(こうご としあき) 昭和38年生まれ。旭川医科大学卒業後、千葉大学医学部小児科入局。平成13年、千葉県八街市に「八街こどもクリニック」を開設、院長に。現代西洋医学のみならず様々な代替医療も駆使して治療に当たっている。医学博士。臨床心理士。 |
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(Medical Nutrition 50号より)
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