皮膚科専門医もサプリに注目、シワ、セルライトに研究進む。 クイーンズスクエア メディカルセンター皮膚科
先頃東京で開かれた第20回日本美容皮膚科学会では、特別講演で初めてサプリメントが取り上げられ、美容医療に携わる皮膚科医にもサプリメントが重視されていることを印象付けた。その演者を務めたのが、クイーンズスクエアメディカルセンター皮膚科の尾見徳弥医師。「美容サプリメントにも医学的検討が必要」とし、自ら臨床試験を手がけている。医療用サプリメントのもう一つのフィールド・美容用途の可能性を探る。
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医療費抑制の流れのなかでは、サプリメントの使用は必須 |
横浜ランドマークタワーに隣接するショッピングモール「クイーンズスクエア」。尾見医師のクリニックはその4階にある。外来患者の多くを占めるのは、アトピー性皮膚炎などアレルギー疾患だが、にきびやシミなど美容皮膚科的な患者もおり、一般的治療とそれ以外の美容医療を実施している。
「例えば、にきびに対して漫然と抗生物質を投与するのは、耐性菌や副作用の面で避けたい。妊娠可能な年齢にある女性ならなおさらです。そういった症例に対して、ピーリングやレーザーなどの存在意義があるのです」
では、サプリメントはどうとらえているのか。「多くの医師は、『何を勧めたらよいかわからない』『効果判定の指標がない』と考えているでしょう。ただ、医療費抑制の流れのなかでは、サプリメントの使用は必須となっていくと思います」。
そのなかで最近、効果が検証された美容サプリメントが現れた。ハーブ混合製品「レヴェラスターゼブレンド」である。トマトリコピン、ブドウ種子抽出物、サメ軟骨エキス、月見草油など10種類の素材を配合した製品だ。尾見医師は同品のシワに対する臨床試験を行っている。
対象となったのは、39名の健康な女性(平均35.1歳)。レヴェラスターゼ含有カプセルを1日2〜4カプセル摂取してもらった。すると3ヵ月後には、皮膚の水分量、血流量が改善し、シワの深さ、面積も縮小していた。
尾見医師は「抗酸化物質、コラーゲン合成促進成分、脂質コントロール成分が配合され、それらの天然素材が皮膚の状態をよくする方向に働いた」と考えている。シワは美容医療の大きなテーマの一つ。それに対して、サプリメントという新たなツールが加わることになる。
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セルライトを改善。学会誌にも報告。 |
一方、美容医療でよく耳にするようになった概念に「セルライト」がある。これは「循環不全、代謝不全から生じる脂肪細胞の変性と周囲組織の線維化」ととらえられている。女性の大腿部背側、臀部などに見られる「オレンジの皮のような肌」と言えばわかりやすいかもしれない。
セルライトがある部位では、皮膚弾力性の低下、しわやたるみの増加が観察される。また、進行すると美容上の問題だけではなく、下肢の倦怠感、軽い疼痛、知覚異常などを起こすこともある。
尾見医師は昨年、セルライトへの効果が知られているサプリメント「リポバスコレンブレンド」を使用した経験を学会誌に報告している(日本美容皮膚科学会誌11巻85ページ)。
対象は、健康女性32名(平均34.4歳)。リポバスコレンを含むサプリメントを1日5錠、3ヵ月間にわたり内服してもらった。評価は欧米における判定基準に準じ、0(セルライトを認めない)〜5(凹凸の形成および萎縮性皮膚変化に加えて小結節を認める)の6段階とした。
その結果、グレード0の症例が開始時は0%だったものが試験終了時には12.5%へと増加。セルライトが改善していることがわかった。同時に体脂肪率、皮下脂肪組織厚、大腿部・下腹部周囲径が改善し、角質水分量、皮膚微小血流量が増加していた。
「角質水分量の増加と皮膚微小血流量の増加は、皮膚の循環、代謝を改善の方向に導いた可能性が考えられます。フーカスやメリロートなどの天然素材の総合的な働きで、セルライトの病態改善につながったのではないでしょうか」。尾見医師はこう分析する。
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有効性、安全性について実際の商品のデータを。 |
このほか、にきびにビタミンB2、B6、シミに対してビタミンCを使用することもある。リラクゼーション効果を期待して、ハーブを取り入れるのも一法だ。
ただし、「説明書の推奨量は、治療効果を期待するには少ないケースもあります」と尾見医師は指摘する。例えばビタミンでは、医薬品としての用量を踏まえつつ、医師の指導で多めの量を使うことがあっても良い、というわけだ。逆に、パッケージに書いてある目安量でも、人によっては多すぎて下痢、便秘の原因になることもある。それらを念頭に、美容サプリメントの選び方をアドバイスしてもらおう。
「まず、有効性、安全性についての科学的データが揃っていること。それに、成分が記載されていないサプリメントは論外ですが、たとえ記載されていても、天然物の場合は有効成分にバラツキがあることが考えられます。その意味で、実際の商品を使ったデータがあれば理想ですね。欧米でパテントを取得していることも、重要な要素になるでしょう」
プロフィール
尾見徳弥(おみ とくや) 昭和63年日本医科大学卒業。平成4年同大学院修了。デンマーク・オーフス大学客員教授を経て現職。日本医科大学講師を兼任。 |
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(Medical Nutrition45号より)
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