「活性化自己リンパ球療法で」末期がんの術後再発を防止
 三田通りクリニック

患者のTリンパ球を体外で活性化させて、約1000倍近くまで増やして患者に戻す「活性化自己リンパ球療法」によって、がんの再発予防を行うクリニックがある。東京・三田で開業する三田通りクリニックは、美白エステ、若返り美容法で話題になっているプラセンタ治療や、食欲抑制剤と低インスリンダイエットで摂取を勧められている酢を充分量、粒状にした健康食品等を組み合わせたダイエット療法を行っているが、治療効果が高いと評判になっているのが、活性化自己リンパ球療法。ランセットに臨床効果が掲載されたのを契機に、がん専門医の間でも注目を集めるようになった。


 がんや腫瘍の再発防止を目的に、ターゲットはCD4量の増加

「がんに対する免疫力はTリンパ球、中でもCD4陽性のヘルパーTリンパ球が総指揮官的な役割を担っていると考えています。従って活性化自己リンパ球療法では、CD4の量を増やすことに主眼を置いています」。こう説明するのは、同クリニックの副院長で、活性化自己リンパ球療法を行う團茂樹医師。

同療法の基本は、リンパ球を体外に出して活性化(質的因子)し、その数を1000倍近くまで増やして(量的因子)体内に戻すことで、がんや腫瘍の増殖を抑えるというもの。主に再発防止を目的としている。具体的には、約20ccの採血を行い、培養して1000倍に増やし、2週間後から投与を開始、1〜2週毎、計5回行うのを1クールとしている。

同療法は、約3センチ大以上の腫瘍を退縮もしくは消失させる効果は低いものの、QOLの改善効果や肝臓がんでは術後の再発予防効果が証明されている。患者の末梢血から比較的容易に活性化自己リンパ球を調製できることから、同クリニック以外にも臨床使用している病医院もある。

同療法を開発したのは元国立がんセンター研究所共通実験室室長の関根暉彬氏((株)リンフォテック社長)。関根氏らが慢性C型肝炎患者と、肝がん患者を対象に無作為比較対照試験を実施した結果、肝がん術後に活性化自己リンパ球を投与することで、術後3年以内の再発を有意に抑制できることを確認した。

 試験結果がランセットに掲載、国内外の注目を集める

この試験は、92年から95年の間に肝細胞がんを切除した患者(216人)から無作為抽出した150人を、活性化自己リンパ球療法群(76例)とコントロール群(74例)に分け、活性化自己リンパ球、組替え型IL-2、CD3の抗体を6カ月間、5回にわたり注射。再発までの期間、再発しないで生存した割合を、ITT解析を用いて評価した。リンパ球療法群は、コントロール群に比べて再発率が41%(p=0.01)有意に低下し、早期再発リスクは51%(p=0.005)、広範な再発リスクは56%(p=0.03)。15項目の評価のうち、免疫療法、転移、ICGが単変量解析による有意差が認められた。死亡52例のうち、48例(92%)が再発が原因だったことから、再発低下により生存率の改善が期待される結果となった。
この試験結果は、一昨年9月2日付けのランセットに掲載され、国内外の注目を集めた。

 患者の体質や症状に合わせた健食でQOL改善を

1年半前からこの療法を導入している三田通りクリニックでは、末期の卵巣がんで余命3カ月と宣告された女性(52歳)が9カ月間生存した例や、原発性肝がんを2回手術した後に同療法を施行し、肝機能の数値がほぼ正常化し、元気にすごしている例もある。元東京大学医科学研究所・免疫学教授の川村明義博士も8年前からこの療法を続けており、現在も健在だ。

同クリニックの團医師は、「手術、放射線、化学療法の三大治療が全て効かなくなった状態で、活性化自己Tリンパ球療法が試みられるケースが多い。もっと早い時期に、この細胞免疫療法が取り入れられれば、がんの再発防止や、その進行を食い止める有力な方法であると考えている」と話している。また、團医師は、活性化自己リンパ球療法とは別に、QOLを高める目的で、ヒト胎盤の大量投与も行っている。維持療法としてオメガ3系食用油、食用キノコ由来のEEM (ブナシメジとエキノダケの熱水抽出物)、南米産のタヒボ茶などの機能性食品を患者の体質や症状に合わせて使い分けている。

團医師は、「腫瘍抑制効果については何とも言えないが、発がんイニシエーターやプロモーターを抑えるという基礎データはある。補助的に使うのであれば問題ない」と語る。

プロフィール
團 茂樹(だん・しげき)
1978年、日本大学医学部卒業。82年、日本大学第一内科大学院修了、医学博士号取得。89年、カナダ州立オンタリオがんセンターで遺伝子分子生物学に関する研究に従事。93年、那須中央病院内科部長。99年、宇部内科小児科医院副院長。00年、三田通りクリニック副院長。内科一般診療のほか、健康食品、漢方薬、自己活性化リンパ球療法を取り入れ、がん、C型肝炎などの治療にあたる。

(Medical Nutrition36号より)


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