生体内環境評価システムを駆使し、患者に適した食事療法を アトピー治療(AD)に、薬物療法とサプリメントセラピー、カウンセリング、運動療法などを組み込んだ総合治療を施すクリニックがある。神奈川県横浜市で開業するノムラメディカルクリニック(野村修三院長)では、米国で普及するBTA(Biological-Terrain-Assessment)と呼ばれる生体内環境評価システムを導入、pHや酸化還元などをモニターしながら免疫システム、生化学バランスを維持させるアプローチを行っている。
BTA検査は、採取した尿、血液、唾液をコンピュータと一体化した分析器(BTA S-2000)にかけ、特殊なマイクロセンサーにより各検体のpH、抵抗力、redox(電子・酵素反応)の値を測定する。そして各検体から得られたデータから、体内で酵素活性が適切に機能しているか、ビタミン、ミネラルなどの栄養素の消化吸収が十分機能しているか、各検体のpHが強酸性状態なのか、強アルカリ性状態なのかを判断する。分析を進める中で、寄生虫、ウイルス、汚染物質の存在や、ビタミン、ミネラルの過不足、酸素量の不足などもわかる。
「一般的な検査では、これらの病因を確認することはできません。BTA検査なら体内環境を調べることで正確な病状を把握することが可能になります」(野村院長)。 例えば、尿のredoxは、毒素の蓄積状況を表し、血液の酸化還元は、酸化ストレスによる細胞の損傷状態、唾液の酸化還元は、肝臓ストレス、抗酸化能の状態がわかる。AD症例では、酸化ストレスにより細胞が高ストレス状態にある場合が多く、胃酸の酸度が弱い場合は、カモミールやビフィズス菌を摂取させて腸内環境を整えるなどのサプリメント療法を試みる。また、副腎、循環器もハイパーストレス状態になる傾向が高いので、ミネラルバランスを整えるための栄養療法を行う。 同クリニックでのAD治療スキームは、・薬物治療・スキンケア・カウンセリング・食事療法・運動療法・サプリメント療法――。例えば食事療法では、手足のツボを通して体内を流れる微弱電流の伝導率を測定して、体のどの組織にどれだけのストレスがかかっているかを調べるBEST(Bio-Energetic-Stress-Assessment)を応用している。BESTには、食物、化学薬品、ハーブ、ホメオパシーなど、約3万件にのぼるアイテムの情報がストックされているので、これらの情報からアレルゲンの特定、患者にあったアレルギー除去食の提案が可能になる。
食事療法やサプリメント療法の前に行うのは温水療法。野村院長によるとこれはAD治療の根幹をなすものだという。温水療法は、温水により皮膚を清潔にし、保湿効果を高め、さらに抗菌性のヒノキチオール入浴剤を使うと、他の菌からの感染を防いだり、有害な好酸球や表皮ランゲル細胞などを減少させる効果がある。また、水圧による内臓強化、リラクゼーションによる自律神経の改善も促進できる。温水療法は40℃以下のぬるま湯が適温。副交感神経をリラックスさせ、交感神経を抑えることで、ADの増悪因子であるストレスが解消できるという。
野村院長は、「AD発症の分岐点は、ストレス耐性の強弱による。ストレス重量を一つの山に例えると、それ以上に高い山の耐性力をつければ発症を抑えることができるる」と、独自のマウント・ストレス理論を説く。ストレス耐性の強化、つまり自然治癒力、免疫力を高めるために使うのが、ビタミンC、マルチビタミン、ポーレンリフ(花粉エキス)等の天然物由来のサプリメント。なかでもスウェーデン産のポーレンリフは、「必須アミノ酸、核酸、ビタミン、ミネラルがバランス良く配合されているので、抗酸化作用、免疫活性作用に優れている」(野村院長)という。 このほか、「Dr.NomurasChoice」と銘打ったオリジナルブランドとして、・FLAX−OIL(フラックス種子油)・マルチビタミン&ミネラルバランス・ビタミンCコンプレックス・ハーブサプリメント――の4品を揃え、患者の体質や症状に合わせて使い分けている。
(Medical Nutrition 29号より) |
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