東西統合の先駆け!「道」を見据えて「術」を施す 西華クリニック 新井基夫医師
西洋の西と中華の華で「西華」。今でこそ東西統合医療は時代の趨勢だが、20年以上も前にそのクリニックを立ち上げた医師がいる。西華クリニック(東京都港区)、四谷西華クリニック(同新宿区)両院の新井基夫院長だ。四半世紀たった今でも、「治療に役立つものはあらゆる方法をとる」姿勢は変わることがない。「『学』はなくても『術』は豊富です」と語る新井医師に治療方針を聞いた。
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東洋医学は「術」と「道」なり |
東京医大で神経内科を専門としていた新井医師が漢方に興味を持つようになったのは、知人の慢性肝炎が小柴胡湯で改善した経験からだという。「西洋医学の治療では良くならなかったのに、GOT、GPTが著明に低下」。それをきっかけに、漢方薬を臨床に取り入れ始めた。
「しかし『大学は学問をやるところ。漢方や鍼は学問ではない』と教授から言われ、大学を辞めた。今から25年前のことだ」(新井医師)は振り返る。その後中国にも渡って漢方薬や鍼治療なども勉強した。
「漢方は経験の積み重ねによって体系化されたもの。科学ではないにしても『術』がある。『術』をたくさんもちあわせている方が、患者さんのためには有利。そして『術』をやっていると、そこに『道』が生まれてくる。『道』とは、自然の掟に従い、バランスを守ること。『道』をしっかり見ておかないと、方向を間違えることになる」。
現在は漢方薬、カイロプラクティック、鍼、オステオパシー、栄養食事指導、アロマテラピー、リンパドレナージなどを組み合わせて治療を行っている。多く来院するのは「西洋医学の標準的な治療では効果が出なかった患者」で、婦人科疾患、皮膚疾患、がん、リウマチ、喘息、糖尿病など多岐にわたる。
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すべての症状に対応できる漢方薬 |
中心となるのは漢方薬だ。新井医師は「例えば、更年期障害は漢方薬が最も適している。のぼせ、不眠といった症状の一つ一つに西洋薬を処方していたらキリがないし、ホルモン剤は副作用が心配。その点、漢方薬なら熱と寒、燥と湿など、個体のバランスの乱れそのものに働きかけるので、すべての症状に対応できる」と言う。
ただし、一番大切なのは随証投与をすること。「かぜだから葛根湯」ではなく、あくまで証に合わせて決めるべきだと強調する。それなら、エキス剤でも効果が見られる。六本木のクリニックはエキス剤を使った保険診療、四谷では自由診療で煎じ薬を処方している。
がん患者には、化学療法、放射線治療と漢方薬を併用することで、副作用の軽減、術後の体力回復促進が期待でき、QOLの向上に寄与するとしている。特に乳がんや婦人科がんでは、消化管に外科的侵襲が加えられていないため、有効成分の吸収と、生体での作用発揮が期待できる。
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「半身浴」で漢方薬の効き目アップ |
食事は自然のもの、旬のものをなるべく加工せずに食べることを勧めている。おいしいと感じることがカギだという。逆に、いつもと違うものがおいしく感じるとしたら、それは体の変調を示すサインと考えてよい。
診療や執筆活動を精力的にこなす新井医師のリラックス法となっているのが半身浴だ。やり方は簡単。40℃くらいのお湯を浴槽に張り、ゆっくりとおへそのあたりまでつかるのだ。「上半身はのぼせているが下半身は冷える、といった人に有効です。半身浴を併用することで、漢方薬の効き目がよくなる傾向があります」。
プロフィール
新井基夫(あらい もとお) 昭和15年、東京生まれ。昭和39年東京医科大学卒業。同大講 師、アメリカ、中国への留学を経て昭和52年、西華クリニック開業。『民間薬草バイブル』など著書多数。医学博士。 ●西華クリニック 東京都港区六本木3-14-12 TEL:03-3746-3301 |
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(Medical Nutrition 21号より)
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