「型通りの治療法はない」満足度重視の専門外来
 間宮内科クリニック 間宮康喜院長

肥満専門外来として、肥満症及び合併症の治療を行っている浜松ウェイトコントロールセンター「間宮内科クリニック」の間宮康喜院長に話を聞いた。肥満が疾病として認められつつある今日にあっても、生活習慣病の基礎疾患“肥満症”の治療法は旧態依然としたままだ。「型通りの治療法はない」と語る間宮院長に、その方法論を聞いた。


 異色の肥満専門外来が人気

外来患者の悩みをすべて解消する ――。間宮院長の言葉からは、蓄積脂肪の解消だけにとらわれない全人的なアプローチを汲み取ることができる。「肥満を誘導する“過食”“虚食”は、心の問題。心療内科的アプローチが重要」と語る間宮院長は、まず患者が抱えている心理的問題の解消に焦点を置く。食事療法、運動療法、行動療法は肥満症治療の根幹であることに違いはないが、「3大療法では不十分」というのが同氏の意見だ。

間宮院長は88年に米国へ留学し、そこでウェイトコントロールクリニックや漢方、鍼灸を軸とする東洋医学が脚光を浴びているのを目の当りにした。褐色脂肪細胞の働きなどの病理研究を専攻していた同氏は帰国後、浜松赤十字病院で肥満外来を開設し、治療に役立つと評価できるものを次々と取り入れていった。

94年に間宮内科クリニックを開設してからは、さらに専門化を進め、保険診療に加え、院内に設けたトレーニングジムを使った運動指導や耳介ツボ療法(マイクロシステム)、アロマセラピーなど様々な医療サービスを採用している。予約制を採り、一日の患者数は50人を越える。なかには遠来の患者も目立つ。医療サービス激戦区の浜松にあって、肥満専門外来の存在はなおも異色の存在だが、時代のニーズに合致し、予約は絶えることがない。

 心身の痛みを和らげる工夫や配慮が嬉しい

「BMI25以上」「肥満度35%以上」などの肥満指標は、必ずしも蓄積脂肪量を示すものではないというのが同院の考え方だ。 初診時の問診で患者の主訴、ライフスタイルを捉えた後、個々の患者に合った治療法を選択する。

食事療法では、院内の売店を兼ねた「低カロリー高栄養食研究会」を窓口に厚生省の輸入許可を得た米国FDA承認製品を利用している。これは、肥満治療に広く利用されている米国製品で、ビタミンK、ビオチン、コリン、銅、亜鉛などを必要十分量含有する。食欲抑制剤サノレックスを利用することもある。

また同院にとって鍼は頻度の高い治療法の一つだ。これは肥満からくる腰痛やしびれなどの身体的な痛みを取り除くばかりでなく、太っている故の心理的な痛み、ストレス、さらにはうつや不眠などに効果を上げている。「肥満症患者の精神的な弱さに対応するには、カウンセリングだけでは不十分。心身の痛みを取り除く姿勢がなければ、肥満外来の運営は困難だ」という間宮院長は、患者教育のためのエデュケーションマテリアルも自ら制作。

 医療従事者向けセミナーも開催

ヒーリングハウスではリラクゼーションやリハビリテーション、東洋医学治療、ソフトレーザー治療などの医療サービスを受けられる。売店は、代替甘味料をはじめ、ハーブティーや低カロリーで自然志向の菓子類、ビタミン、ミネラルのサプリメントなどを揃える。VLCDを使った栄養指導も行われている。

100名収容可能な院内のホールは、エアロビックトレーニングや運動療法プログラムのためのトレーニングに利用。今年7月にはAAMA会長のブライエン・フランク医師、 同理事幹事の中沢弘医師らUCLA鍼灸医学客員教授を講師に3日間にわたる医療従事者向けセミナーも行われた。国内外の医療従事者との情報・技術交流に意欲的で、今後もこうしたセミナーを開催していく方針だ。


プロフィール
間宮康喜(まみややすよし)
昭和28年生まれ。浜松市出身。日本内科学会認定医。日本神経学会認定医。日本糖尿病学会認定医。日本肥満学会会員。平成3年より浜松赤十字病院内科副部長(肥満外来)。医学博士。浜松 医大非常勤講師。平成4年、肥満治療研究で浜松市医療奨励賞受賞。平成6年、間宮内科クリニック開院。
 
●間宮内科クリニック
 静岡県浜松市有玉南町1880
 TEL:053-473-7871
●低カロリー高栄養食研究会
 TEL:053-471-6120

(Medical Nutrition 20号より)


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