「アントシアニン」で 黄斑変性症を完治
 葉山眼科クリニック 葉山隆一医師

眼科領域の疾患の中でも、視野の欠損や視力の低下を起こす黄斑変性症は、いまだに有効な治療法が確立されていない難治性の疾患だ。埼玉県大宮市で葉山眼科クリニックを開業する葉山隆一医師は、ロドプシン(視細胞物質)の再合成を促進させる働きを持つアントシアニンを使って黄斑変性症を完治させたり、近視や遠視を改善させるなどの治療効果をあげている。


 研究のきっかけは患者の質問

「先生、ブルーベリーは本当に目にいいんですか」。3年前のある日。患者から、こう問いかけられた葉山院長は、思わず返答に詰まった。ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学の研究員でもある葉山院長は、さっそくハーバード大学の研究者仲間からブルーベリーに関する資料を取り寄せ、研究を開始した。文献資料を調べる中でわかったことは、ブルーベリーに含まれる色素成分、アントシアニンが目に良い正体であること、そして数ある植物・果実の中でもブルーベリーには15種類のアントシアニンが含まれているという点だ。

 来院者310人を対象に臨床実験

ブルーベリーの効果を調べるには、どんな成分が目に効果を及ぼすかといった分析実験と、実際に摂取させる臨床実験の両面からのアプローチが必要と考えた葉山院長は、臨床医の立場から臨床実験を試みた。被験者には市販のブルーベリーエキス(ナチュラルウエイMの「ひとみの果実B&G」)を1日3回、朝昼晩2粒ずつ飲んでもらった。試験は昨年6月から9月までの3カ月間実施した。その結果、眼精疲労と遠視は、ほぼ100%の効果をみせ、近視は7割が改善され、老眼にも有効性が認められた。

実験結果の中で葉山院長が目を見張ったのは、黄斑変性症に対する効果だ。網膜の黄斑部が悪化する黄斑変性症には、薬物療法やレーザー治療が行われているが、効果はほとんど期待できない。有効な治療法がないことが、この疾患の最大の難点だ。ところが葉山院長が行ったブルーベリーエキス単独投与試験では、30人のうち4人が黄斑部のうろこがきれいに取り除かれ、残り26人もうろこが薄くなるなど、総じて改善が見られた。

葉山院長は、「正直言ってビックリした。決め手となる治療法がない疾患について、これだけの効果をあげたことは大きな意義がある」と驚きを隠さない。眼科領域におけるニュートリション・セラピーとも言える今回の実験結果を広く知ってもらうため、葉山院長は2000年4月、自著「ブルーベリーは本当に目に効く」を上梓した。

プロフィール
葉山 隆一(はやま りゅういち)
昭和50年、新潟大学医学部卒業。大学医局において病理学、免疫学、血液学を研究。大学附属病院の医長を務めた後、昭和60年に米国に留学。ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学で磁気、免疫病理、血液の研究をはじめ、MRI、エキシマレーザーなど最先端医療を研究。昭和63年に帰国後、愛和病院副院長を経て、平成元年に葉山眼科クリニックを開院。
 
●葉山眼科クリニック
 埼玉県大宮市東大宮5-1-2 扶桑ビル2F
 TEL:048-687-1081

(Medical Nutrition 18号より)


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