食事療法を組合わせた統合医療を実践 ─生活習慣病改善から末期がん治療まで─
 東京衛生病院 水上治健康医学科医長

ホスピスを併設する東京衛生病院(東京都杉並区)は、食事療法をはじめとした統合的な医療を積極的に取り入れ、患者主体に医療を実践してきた。同院には、代替医療を希望する患者も多い。全国でも珍しい禁煙ドックを行い、末期がん患者も訪れる同院の水上治健康医学科医長・健康教育部部長に検診や疾病予防、治療の具体的な方針を聞いた。


 専門スタッフが生活習慣を改善指導

東京衛生病院の健康医学科では、疾病の早期発見を目的とした、外来・入院人間ドック検診を行っている。受診する患者の多くは近隣のサラリーマン、特に中堅企業の官吏職が増えていると言う。

ドック検診で生活習慣の改善指導の必要性を指摘された患者は、健康教育部で専門スタッフによる指導を受ける。その内容は、食事や栄養、運動、メンタル面などあらゆる分野にわたり、1人の患者に時間を割いて指導するため、1日に対等できる患者数は7〜8人程度だ。

 禁煙ドックで個別にサポート

同院の特徴のひとつに、年に5回(3月、5月、7月、9月、11月)行っている禁煙ドックがある。

記念ドックには毎回、数名が参加しており、喫煙を止めたいがニコチンの禁断症状で苦しんでいる人がほとんどだ。昼間にはスタッフが付き添ってカウンセリングなどを個々に行い、夕方から受診者は禁煙講習に参加する。こうした個別指導は全国でも例がないという。

 創立当初から食餌療法を実践

同院では食事の重要性に注目した食餌療法を、創立当初から積極的に導入してきた。院内給食は菜食が中心でその他に卵、牛乳を加えた食事内容を実践している。更に、希望者には玄米などを採り入れた菜食メニューも提供している。

同院には、末期的ながん患者も来院する。こうした患者の多くはすでに手術や薬物療法や物理療法など通常の医療を受けており、代替療法を希望する患者も多いという。そうした患者のニーズに対応するため、医薬品だけでなく、健康食品にも注目しているという。

これまで、アガリクスやメシマコブなど菌糸体類、プロポリス、サメ軟骨、欧米や南米のハーブ、薬用植物などを組み合わせた臨床応用を検討してきた。

「心身ともに健康になるには、単に医薬品に頼るのではなく、食事や運動、ストレスのコントロールに気をつけることが大切です。そして希望する患者によく説明して理解してもらい、選択してもらう。患者の選択肢を広げて、それに応えて、精神的にも患者をサポートしていくことが、医療者の役目だと思います」(水上医師)。

プロフィール
水上 治(みずかみ おさむ)
1948年北海道生まれ。73年弘前大学医学部卒業。78年東京衛生病院内科勤務。85年東京医科歯科大学で疫学専攻、医学博士。74年米国ロマリンダ大学公衆衛生大学院を卒業、日本で数少ない公衆衛生学博士。
現在、東京衛生健康医学科医長兼健康教育部部長。著書に「健康を創る」(福音社)等多数。
 
●東京衛生病院
 東京都杉並天沼3-17-3
 TEL:03-3392-6151

(Medical Nutrition 13号より)


BACKSITE TOPPAGE TOP