気になる老化の予防と治療を総合的な美容医学で 社団法人 北里研究所 北里研究所病院 美容医学センター 宇津 龍一医師
北里研究所病院の美容外科・形成外科は平成7年に開設。さらに平成10年5月には新棟移転に伴って「美容医学センター」(東京都港区)を開設した。同センターはケミカルピーリングやレーザー治療など最新の医療設備で、しみやしわなどの治療を行うとともに、他の科と連携した食餌療法や運動療法、自宅でできるスキンケアプログラムや生活習慣の改善プログラムによる指導など総合的な治療を進めている。また、「美容ドック」などによって皮膚の老化の検査・予防にも力を入れており、美容医学の確立を目指している。
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スキンケアとビタミン摂取で老化予防 |
「美容医学センター」は、医師と看護婦、スキンケア担当、美容情報ネットワーク担当など、美容に関する専門スタッフで構成されており、最新の治療設備が整備され、カラフルな内装が目立つ快適な診療空間となっている。「美容は皮膚の若さを保つ基本です。皮膚の健康を第一に考え、しみ、しわをはじめ、たるみなど体表に現われる老化現象に取り組んでいます」と話すのは、センター長の宇津木龍一医師。
初診ではまず顕微鏡で患者の皮膚の状態をチェックする。乾燥や老化の度合いを確認し、色素沈殿や赤みが強いかどうかなどを調べる。老化の予防に重要なのはスキンケア。ビタミンサプリメントの摂取を勧めることもある。
ほとんどの患者がサプリメントなどを利用しており、こうした患者情報にもとづいて美白効果のある薬やビタミン剤などを処方していく。患者によっては洗顔方法から指導する。患者の中にはスキンケアの方法が間違っている人が多く、特に高齢者では石鹸などで必要以上に洗いすぎてしまい、アトピーようの症状を起こすケースもあると言う。一番多いトラブルはかゆみの症状。こうした場合、正常な皮膚の状態を保つような正しいスキンケアを指導することでかゆみを改善する。さらにスキンケアクリームなど基礎化粧品類も処方する。
しみ、しわの治療目的の女性患者が圧倒的に多いが、眼窩のたるみに関しては、3割から4割程度が男性患者だという。瞼が垂れてくると視野が暗くなるだけでなく、眉毛を上げるために額の筋肉が緊張し、頭痛、目の疲れ、目の乾燥が頻繁に起こる。これらはちょっとした手術で劇的に改善させることができる。
老化の予防や治療は単なる外見上の問題ではなく、患者が自分に自信を持ち、積極的な生活を送るようになることでQOLの向上につながる。また本人の自覚だけでなく、周囲の人からの評価によって気分的にも元気になり、さらには生活習慣を節制するようになったケースもあるという。
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他科との協力体制で総合的に治療 |
同センターでは、婦人科、栄養科、フィットネスセンターと連携しながら、いろいろな治療をミックスして行う。他の科と密接に連絡をとり、治療体制を整える。どうやって多角的な治療を行うかを方向付けるのも同センターの役割だ。
老化の予防と治療には食事や運動も重要な要因。同院の栄養科では滋養食の研究などを行っている。患者の希望で食のコンサルテーションを行い、食習慣の改善指導などを処方する。また、スポーツリハビリも最先端の施設が整備されている。整形外科では特にスポーツ外傷のリハビリに力を入れており、フィットネス、痩身などのメニュー作成も行い、指導する。また婦人科でホルモン療法を受けながら、同センターで肌のチェックを行っていく。こうした必要な治療を担当する科との協力のほかに、院外では化粧品メーカーと協力したメーキャップの指導なども行っている。
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美容ドックで老化に迅速対処 |
「美容ドック」は人間ドックの美容版。老化をモニターし、顔の形態的な分析、皮膚の乾燥や老化具合などのコンディション、血流量などの皮膚の機能について調べる。自分の顔を把握することで、どこを化粧したらいいのかがわかり、表情を豊かにすることにも役立つ。患者自身の過去のデータと比較することによって老化の度合いを監視し、迅速に老化に対処することが目的だ。
「外観的な皮膚の問題、外見的な顔の形の問題、皮膚の内面的な問題を調べることが基本です。そのほかに希望があれば肥満遺伝子や免疫機能を調べる。免疫機能は老化の指標になります。出来れば定期的に受けることをお薦めしています」(宇津木センター長)。美容ドックの料金は基本コースが3万5000円。検査と問診で約1時間ぐらいかかり、結果は2〜3週間後に患者に伝えられ、そこで再びカウンセリングを行う。
同センターでの治療はすべて自由診療。保険対象の診療は皮膚科で行う。「最終的な目標は、美容医学を医学として広めること。美容医学は美容外科も含めて医学として曖昧です。また美容医学はいかがわしいという印象が歴然としてある。それを学問として確立していく。美容医学はQOLを高める一つの医療であることを普及していくつもりです」(宇津木センター長)。将来的には美容医学の医療情報ネットワーク構築なども検討しており、総合的な美容医学の確立を目指している。
プロフィール
宇津木 龍一(うつぎ りゅういち) 1954年生まれ。80年北里大学医学部卒業。90〜95年University of Texas School外科学ならびに細胞生物学教室Research Fellowをはじめ海外で研修。95年北里研究所病院 美容外科・形成外科部長。99年北里研究所病院 美容医学センター センター長。北里大学医学部形成外科専任講師。 ●北里研究所病院 美容医学センター 東京都港区白金5-9-1 TEL:03-5791-6148 |
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(Medical Nutrition 11号より)
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