東洋医学を導入した歯科診療を実践
 医療法人社団明徳会福岡歯科 福岡明医師

歯科治療に鍼灸やツボ刺激などの東洋医学やリラクセーションなどさまざまな方法を取り入れた統合的な治療法を持って、体全体を診る。全身を考えた歯科治療を、長年にわたって実践してきた医療法人社団明徳会福岡歯科の福岡明理事長。都内に4箇所の歯科医院を開設し、多くの角界著名人も訪れる。新宿・福岡歯科デンタルクリニックで福岡理事長の歯科治療について話をうかがった。


 歯科治療で患者の全身を診る?

歯のみを診るといった局所的な治療ではなく、歯と体全体の関係を考慮した治療を行っていく。いわば全身を考えた歯科診療を20年以上にわたって取り組んできた福岡明理事長は、大宇宙、小宇宙という東洋思想的自然観から患者の状態を把握し、患者のリラクセーションに重点を置いた治療という観点から、患者にとって効果的なさまざまな治療法を取り入れ、実践的にその効果を検証してきた。

「患者さんが緊張すると血圧の上昇などの問題が起こります。患者さんが心身ともにリラックスして治療を受けることができる。そのため首や肩などのコリを取り除いてあげることが治療では重要なのです」(福岡理事長)。院内は、雰囲気やデザインにも心がけ、スタッフの明るい応対、患者の視線を考慮した設計など細かな配慮がなされている。さらにヒーリングミュージックやアロマテラピーリラクセーション誘導機器などを導入して効果を高めている。

「東洋医学では四診という四つの診断法があります。そのうち望診、聞診、問診。これは患者の様子を見て、話を聞き、対話することによって患者の状態を知る。こうした患者の情報を把握することが必要です」(福岡理事長)。同院ではこうした患者との面談のあと、最新機器にとって血圧などをチェックし、さらに全体の状態を把握するために、O−リングテストも利用している。これらによって、他の部位の疾患を見つけて他の医療機関を紹介した患者の例もある。

 鍼灸やツボ療法で快適に歯科治療

治療前には、歯科医師や歯科衛生士などが指圧マッサージを行い、首や肩のコリをほぐす。「首や肩には脳循環に影響を及ぼす頚動脈や椎骨動脈、そして交感神経など、大切な血管や神経が存在しています。首や肩の緊張感やコリによって血行などが悪くなるだけでなく、患者の緊張や不安感が増大するなど治療に悪影響が出ます。ですからまず頚肩部のマッサージが重要なのです」(福岡理事長)

また、院内には鍼灸室が設けられ、専属の鍼灸士が鍼灸によって体全体の調整を行う。「歯から全身疾患が起きることは噛み合わせだけではなく、細菌感染の問題もあります。歯を抜いたときは何らかの細菌に感染していると考えられますから、まず患者の免疫力を高めることが必要です」(福岡理事長)。患者の体全体を調節するほか、麻酔薬の軽減が必要な場合などにも東洋医学的手法が用いられる。

同院では、小さな電極を両手と顔面のツボに接触させて電気的に刺激する機器を治療に取り入れている。これはハリを使うことなく、術後の疼痛をはじめとするその他の不快症状の緩和や予防、疼痛受容閾値の上昇による局所麻酔薬の減量が期待できるという。「注射をしたり、歯を抜くときには痛みや緊張を感じます。この痛みや緊張感をなくすためには東洋医学が有効であり、そのために鍼灸やツボ療法を行うのです」(福岡理事長)。こうした従来の西洋医学以外の手法については、常に科学的根拠が問題にされるが、「東洋医学はその伝統の中で実践的に検証されており、根拠とは医師が臨床の場で試して、実践を通して構築すべきもの」と福岡理事長は語る。

 患者主体の医療サービスが必要

患者にとって病気を治す手段、可能性は多いほどいいと語る福岡理事長。しかし、歯科全体ではさまざまな治療法を取り入れた取り組みはまだ進んではいないという。その点では、医療経営上の問題も指摘する。「患者主体の、個の医療を考えたときに、1人の医師が診ることができる患者さんはせいぜい10〜20人くらいです。1日に50人もの患者を診なければ経営的にやっていけないという医療経営の構造では問題があります。患者さんに喜ばれて、報酬を頂くことが一番いいのです。そのためには代替療法について医師が勉強することも必要になって来ました。本来、医学は患者さんのためにあるものです。患者さんが病院にお金を払っているのです。これからは患者が病院を選ぶというような、患者の選択権が強くなってくると思います。それに対応して行くには、付加価値を持った歯科医院、すなわち治療技術はもちろん、医療スタッフ、院内のデザインなどサービス面の工夫も必要です。こうした付加価値を持たない、従来の歯科治療だけでは経営的に困難になることも将来考えられます」(福岡理事長)。

現在。福岡歯科は、「サンデンタルクリニック」のほか「郵船ビル院」(中央区)、「祐天寺院」(目黒区)、「新川院」(中央区)の4箇所で診療を行っている。また東洋医学的な考えに基づいた治療に加えて、波動技術を取り入れた「波動医学研究室」を昨年開設。新たな歯科診療を目指した取り組みも行っている。

プロフィール
福岡 明(ふくおか あきら)
1926年生まれ。48年東京歯科医学専門学校(元東京歯科大学)卒業。医学博士。49年福岡歯科医院を開設。63年医療法人社団明徳会を設立。日本歯科東洋医学会前会長。現在、東京歯科大学講師、日本歯科医療管理学会理事、日本睡眠学会理事、アジア気功科学研究会理事など。日本バイ・デジタルO−リング学会認定医。
 
●福岡歯科サンデンタルクリニック
 東京都新宿区西新宿1-24-1 エステック情報ビル3F
 TEL:03-3348-5785

(Medical Nutrition 5号より)


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