免疫判定でがんを早期発見!
 コンフォート病院 宇野克明医師

がんは画像診断などで組織の病変などから見つかるケースが多いが、画像に表れない段階でのガン発見を目指す、がん専門ドックが登場し注目を集めている。日本で初めてガン専門ドックを開始したのは、医療法人財団コンフォート病院(神奈川県横浜市)。理事長であり、また免疫療法の担当医である宇野克明医師は、88年、東京女子医科大学第二外科から、杏林大学医学部第一外科に転籍した際、研究上長であった八木田旭邦医師(近畿大学腫瘍免疫等研究所教授)と出会い、以後、八木田医師の指導のもと免疫療法の研究を続けてきた。


 免疫判定を人間ドックへ応用

人間ドック実施医療機関であるコンフォート病院の理事長に、宇野医師が就任したのは96年9月。同院の人間ドック受診者は年間1万人を超えるが、がんが見つかるのは、せいぜい1〜2%。しかもバリウムや超音波で判明するのは、ある程度進行したがんなので、早期発見はなかなか難しいのが実情だ。そこで、宇野医師が思いついたのが、八木田医師から学んだ免疫学の人間ドックへの応用だった。

一般の人間ドックは、画像に映る大きさに増殖したがんをなるべく早期に発見することが目的だが、同院では、より早期に、しかも確実に見つけるため、インターロイキン12などのサイトカイン(生理活性物質)の産出料を測定し、らせんCT(断層撮影装置)検査をもとに、がんの罹患度合いを判定するなど、免疫機能の検査を重点的に行う。

同院のがん免疫ドックの検査方法は、大きく分けて「基本コース」と「免疫判定コース」の2つがある。基本コースは血液検査、心電図検査、胃レントゲン検査といった通常の人間ドックで行う検査のほか、インターロイキン12をはじめとする各種サイトカイン検査、Tリンパ球機能検査(免疫スリーカラー検査)、ナチュラルキラー細胞機能検査(NK細胞活性)などの免疫検査、更には胸部と腹部のらせんCT検査を実施する。一方、免疫判定コースは既にがんと診断されている患者専用のドックコースで、がん免疫検査一式を実施した結果をもとに免疫判定を行う。

「基本コースは、主に初めて人間ドックを受診される方や、家系的にがんの発生が多く、がん発病が不安な方に受診されています。免疫判定コースは、がん治療中の患者さんが対象で再発、転移が心配な方や、がん免疫治療を受けながらも、定期的に免疫活性の度合いを知りたい方が受診されます」(宇野医師)。

がん免疫ドックの料金は、基本コースが21万円(所要5〜6時間)、目ね機判定コースが12万円(所要30分程度)。最先端技術を応用した免疫検査を定期的に実施することは、治療を正確なものにするためにも欠かせない。だが、がんの免疫検査はその高い専門性、特殊性により、診断に用いる医師が少ないことや、保険適用外になっている点から、一般の保険医療機関はもとより、大学病院でも実施していないのが現状だ。

「効果が期待できる免疫賦活剤や健康食品があったとしても、免疫判定なしに“ただ飲むだけ”ではお金の無駄になるばかりでなく、適切な治療機会を逃すことにつながります」と宇野医師。むやみな投与を避け、効果的な医療を行う意味からも、免疫判定は欠かせないという。このため、保険給付対象の3種類の腫瘍マーカーのほか、20数種類におよぶ全腫瘍マーカーを検査する。

 がん治療のための「多剤療法」とは!?

一連の検査でがんと診断された場合、免疫治療を希望する人には医薬品と健康食品の多剤療法である新免疫療法での治療も可能。多剤療法に使われるのは、医薬品では免疫賦活剤の「クレスチン」「ピシバニール」「ソニフィラン」「レンチナン」。健康食品では「AHCC」「ベターシャーク」など。このほか、漢方薬やビタミン補助食品を使用する場合もある。

これらは、患者の症状や免疫度合いによって組み合わせを変えていく。先ず、第一段階は八木田氏の新免疫療法(AHCC、クレスチン、ビタミン類、サメ軟骨)。第二段階は、これにSPG注射薬の「ソニフィラン」と「ピシバニール」を加える。第三段階では、更に「レンチナン」と数種の免疫活性作用のある薬剤を処方に追加。第四段階では入院管理を行い、科学療法剤の抗がん剤を微量使用する場合もある。ただ、抗がん剤を使用するのは免疫抑制物質を叩く場合に限られ、投与量も薬用量の1/5から1/10程度。原則的に化学療法は使用しないというのが、同院の治療コンセプトだ。

宇野医師は、「がんの予防を目的とした治療を考えるならば、定期的な免疫検査が必要です。また、免疫向上作用が期待できる健康食品を、常時摂取することも効果的かもしれません」という。

プロフィール
宇野克明(うの かつあき)
1961年生まれ。神奈川県出身。86年東海大学医学部卒業、東京女子医科大学第二外科に入局し、88年杏林大学医学部第一外科へ転籍、当時の研究上長であり、がん免疫学研究の第一人者・八木田旭邦医師の指導のもと、がん免疫学の研究を開始。96年コンフォ−ト病院理事長に就任、病院経営を行う傍ら、がん免疫研究を続け、がん免疫ドック実施にいたる。
 
●医療法人財団コンフォ−ト病院
 神奈川県横浜市西区平沼2-8-25
 TEL:045-321-6090

(Medical Nutrition 2号より)


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