QOL向上を目指し補助食品・ワクチン療法を施行。

 文京クリニック

免疫検査をしながら、 患者由来のワクチンを投与するほか、 漢方薬や機能性食品を使って患者の"治る力"を引き出す免疫療法を行うクリニックが昨年12月に都内に開業した。 免疫ドックと免疫療法を二枚看板にするのは、 東京・文京区の文京クリニック。 院長の倉根修二医師は、 地元の日本医科大学付属千駄木病院で20年以上にわたり、 がん化学療法、 免疫療法の研究と診療に携わってきた。


 免疫療法は究極の予防医療。

患者の治癒力を引き出すことに主眼を置く免疫療法は、 がんの治療法としては"第4の療法"として、 非侵襲的なアプローチが見直されているが、 生体防御機能を高めるという点では究極の予防医療と言える。 倉根院長は、 米国ミシガン大学に留学し、 腫瘍内科と腫瘍外科を学んだ後、 日医大第4内科で免疫療法の研究に従事してきた。

臨床では、 化学療法だけでなく、 食欲不振等の副作用を抑えるために十全大補湯を処方したり、 キノコ系の機能性食品を併用するなど、 患者のQOLに配慮した治療を行ってきた。

「例えばCD4リンパ球が低下すると日和見感染をおこす恐れがありますが、 漢方薬や機能性食品を補助的に使うと免疫細胞が活性化する場合があります」 (倉根院長)。

補助療法として主に使うのは、 エノキタケとブナシメジの熱水抽出物である 「アクチノン」。 2年前に大学病院で免疫不全患者7人にアクチノンの投与試験を行った結果、 細胞性免疫を高めるなどのデータを得た。 マウスへの経口投与試験では、 PSKより優れた抗腫瘍活性を示したというデータもあり、 倉根院長は開業後もアクチノンを使用している。

「効き目があるのなら健康食品を使ってみたいという患者さんは少なくありません。 ただ、 闇雲に使用するというのはお勧めできませんね。 補助食品と言えども治療目的で使用するわけですから、 基礎データがしっかりしていないものは使えません」 (倉根院長)。


 その患者専用の自家がんワクチン療法の試みも。

漢方薬やアクチノンでも免疫力が向上しない患者には、 自家がんワクチン療法を試みる。 この治療法は、 手術で取り除いた患者のがん細胞を、 ホルマリン処理して無毒化し、 がん抗原としてワクチンに添加して投与する特異的な免疫療法だ。 患者本人の体内で、 がん細胞だけを殺す働きのある免疫細胞を活性化することができる。 患者由来の細胞組織をもとに免疫刺激剤を混ぜてつくりだすので、 その患者だけの専用ワクチン、 いわば究極のパーソナルドラッグと言える。

この治療法は、 副作用がないばかりか、 再発抑制効果を示すデータもある。 自家がんワクチンを投与した肝がん患者18人と、 投与しない肝がん患者21人とを比較した試験では、 1年後の再発率が投与群は10%だったのに対し、 非投与群は60%近くに達していた。

「がん治療の効果判定基準に即して言えば、 がん細胞を消失させるというよりも休眠状態を示す不変状態を延ばすことが期待できます。 当院ではイムノドックと呼ばれる免疫検査を行っていますので、 検査で基礎免疫が不足している患者には、 このワクチン療法を薦めるようにしています」 (倉根院長)。


(Medical Nutrition 64号より)


BACKSITE TOPPAGE TOP