突発性難聴に大豆イソフラボンが有効。
 所沢耳鼻咽喉科


 突然、 片耳の聴力が低下する――1973年、 厚生省の難病に指定された突発性難聴。 ステロイド点滴やビタミン剤投与による治療法が一般的だが、 特効的な治療法はまだ確立されていない。 埼玉県所沢市の所沢耳鼻咽喉科 では、 回復の見込みのない慢性の突発性難聴に対し、 アグリコン型大豆イソフラボンサプリメントを臨床応用し、 ヒト試験で好成績を残している。


 正常細胞を生かすことが回復のカギ。

突発性難聴では、 早期における治療が肝心となる。 脳梗塞同様、 残りの正常細胞を生かすことが回復のカギを握るからだ。従って、長期の放置による回復は絶望的となる。 この難病に 「基幹病院に負けない医療」 をポリシーとして治療にあたるのは、 大塚幸生院長。

クリニックでは、 これを踏まえた上で聞こえの検査をし、 点滴や内服治療を行う。 その徹底した治療で、 急性期における突発性難聴治癒率では約7〜8割と高値を示している。

「特に近年、 突発性難聴が顕著に増加しているというわけではありません。 しかし、 早期治療の大切さが浸透してきたことで、 名前が広く認知されてきているのも事実です」 (大塚院長)。


 慢性のものにはサプリメント。

早期治療が回復の大きなカギを握る突発性難聴。 しかし、 症状が慢性化して回復が望めないケースも少なからずある。 大塚院長は、 そのような場合にサプリメントを指導する。 指導するのは、 発酵大豆胚芽抽出物由来のアグリコン型イソフラボンサプリメント。 あくまで、 突発性難聴への最終手段としての利用だ。

「大豆イソフラボンにはエストロゲン様作用があることが知られていますが、 発酵大豆胚芽抽出物由来のアグリコン型イソフラボンには、 更に強い抗酸化作用によって、 微小循環の血流を改善させる作用があることを知りました。 私自身、 血管の循環不全が突発性難聴と密接に関わっているのではないかと考えていましたので、 さっそく臨床応用してみることにしたのです」。


 臨床試験では5dB以上の聴力回復例も。

大塚院長は、 アグリコン型イソフラボンの突発性難聴への効果を検討、 1月に行われた 「第10回日本未病システム学会」 で臨床試験の結果をハーバード大学、 ニチモウ(株)らとともに発表した。

試験は、 クリニックの突発性難聴患者27名 (男性7名、 女性19名:平均年齢54.9±13.8歳) に対し、 アグリコン型イソフラボンサプリメント40mg/日、 3ヵ月間投与して、 聴力、 耳鳴り、 めまいの改善を調べるとともに、 血液に関する生化学検査を実施した。

その結果、 試験を完了した26名のうち、 5dB以上の聴力回復が7名、 2dB以上の聴力回復も6名確認された。 めまいに関しては、 症状を有する全患者で回復がみられ、 耳鳴りについても19名中16名が回復した。 血液生化学検査では、 血中コレステロールと中性脂肪異常のあった患者で、 それぞれ69.2%、 63.6%の改善がみられ、 62.5%で血糖値が改善したことから、 血流と突発性難聴との関係が示唆された。

基幹病院に負けない医療を──が大塚院長のポリシー。 開業して30年近く地域の健康を守りつづけた顔がうかがえる。


(Medical Nutrition 62号より)


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