食事療法はがん予防の基本

東京港区の赤坂中央クリニック(TEL03-3582-4991)では、がんの予防には食事療法を、治療にはサプリメントの使用を試みている。前お茶の水女子大学保健管理センター所長でクリニックの永川祐三医師に診療実態を聞いた。


 がん予防には野菜を主体にした食事療法が最適

永川医師によると、がんに対しては予防がメインとなり、そのための食事療法は欠かせないと話す。具体的には、過剰な肉の摂取を避けて、野菜主体に変える。さらに、アルコール類も好ましくないという。ワインのポリフェノールは体によいとよく言われるが、「ポリフェノール含有食品は、ワイン以外にもたくさんある。そこから摂取すれば良いはず」と永川医師はアドバイスする。さらに、動脈硬化を避けるために魚を主体にすることも忘れてはならない点だと永川医師はコメントする。

しかし永川医師は、どうしても肉類を食べたい人には鶏肉を勧めているという。永川医師によると、鶏肉は滋養強壮作用で有名なスッポンとアミノ酸組成の点で近いという。鶏肉を食べる際に注意するのは、高齢者では脂肪分の強い皮の部分をなるべく避ける点だ。がんの場合、患者は圧倒的に高齢者が多いため、大事なポイントだと永川医師は話す。「患者さんも食事に関する知識をもっとつける必要があり、本などによって自身で啓発を図ってもらいたい」。永川医師は食事療法の重要性をもっと一般の人にも理解してもらいたい考えだ。


 実際の治療にはサプリメントも使う

永川医師は、がんに罹患した場合の治療方法として、場合によってはサプリメントを用いる治療を選択する。具体的には、サメ軟骨、AHCC、田七人参の三種類のサプリメントに、ビタミン剤を併用することで、すい臓ガンを改善したケースだ。

「定期検診で、腹部を超音波で調べた結果、胃の後ろ側にリンパ腺がはれているのを見つけました。CA19-9マーカー(37までが正常値)で調べた結果、38を示したため、すい臓がんが発覚し、がん専門病院で切除手術を受けました」と永川医師はその経緯を話す。

手術前に永川医師は、サメ軟骨、AHCC、田七人参の三種類のサプリメントにビタミンDを患者に指導した。摂取方法は、サメ軟骨とAHCCを朝昼晩の各中間時に1袋ずつ、田七人参はカプセル状のものを1日6カプセル(飲み方は自由)、ビタミンDは総合ビタミン剤の使用だ。しかし、サメ軟骨は飲みにくいため、1日1袋を所定の時間に摂取することにし、ヨーグルトなどに混ぜるなど工夫してもらっているという。手術後も全身状態は顕著に改善され、術後1年以上経ついまでも元気に定期診療を受けに来ていると永川医師は報告する。

サプリメントの指導で難しいのは、作用機序が不確かなうえ、長期間使用するものなので、コストがかかる点だと永川医師は指摘する。その意味で永川医師は「(サプリメントが)経済的余裕がある人だけの味方になっている点は非常に残念だ」と語る。


(Medical Nutrition40号より)


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