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開講「ヘルスフード科学講座」 東京水産大学大学院 水産学研究科
この4月、東京水産大学大学院の水産学研究科で「ヘルスフード科学講座」がスタートする。「食と健康」をテーマに、食品のもつ生体調節機能の解明、機能因子の特定と大量作製のための技術開発などを行うための講座だ。教授に就任する矢澤一良氏(同校地域共同研究センター客員教授)は「予防医学の概念に基づき、体・心・脳の健康維持に必要な『知的食生活』を考える。ゆくゆくは特定保健用食品の素材を開発したい」と抱負を語る。
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予防医療に役立つヘルスフードは何かを科学の面から追求 |
ヘルスフードは、直訳すると「健康食品」。従来の健康食品とは違うのか。矢澤氏は「講座名にサイエンスがついていることに注目して欲しい。健康食品が玉石混交なのは事実。まがい物とは一線を画し、本当の意味で良い予防医学に役に立つものを、サイエンスの面から取り上げる」と説明する。
誰しも年齢を重ねるごとに体の不調を感じるのはやむをえない。しかし、悪い生活習慣やストレスなど、現代社会ではそれらを助長する要素が多くのしかかっている。食生活一つとっても、1日30品目の食材をバランスよく摂り、栄養素の所要量を摂取するのは、現実的に難しいだろう。それとともに、ストレスのかからない優雅な暮らしをしている人が、果たしてどれほどいるか。
「そこをカバーするのがヘルスフードです。これを取り入れた『知的食生活』を考慮することで、生活習慣病の発症時期を遅らせる。予防は医薬品、医療ではまかないきれない領域。その領域で、場合によっては医薬品以上の効果をもたらすでしょう」。
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胎児の時から死ぬまで、人生のどの段階にもヘルスフードの出番はある |
実際に必要な条件とは何か。矢澤氏は4つの項目を挙げた。(1)有効性が科学的に証明されている。具体的には、審査のある論文に掲載されているデータで、ヒトの臨床試験で有意差がある(2)安全性が確保されている。できれば食経験がある(3)作用機序が解明または推定可能(4)大量・安価に供給が可能――。
同講座では、なかでも市場ニーズが高いものとして、フォスファチジルセリン(PS)、DHA、EPA、アスタキサンチンなどに焦点を当てていきたいとしている。これらの有効性、メカニズム、体内動態を調べ、予防医療、QOL改善、美容などの用途への可能性を追求していく。それと同時に、既存の機能因子だけではなく、特定保健用食品の素材として認められるようなものを作り出していく計画もある。産業界や医療機関との連携も視野に入れている。
「例えば、遺伝子診断に基づくオーダーメイド医療が注目されていますが、リスクが発見されたとしても、医薬品が使えるのは症状が発現してから。それでは遅い。遺伝子診断の究極の目標は疾病予防にあり、その意味で、ヘルスフードの役割は大きいのです。受験勉強中の子ども、骨粗しょう症を心配する女性、痴呆を予防したい高齢者――。マイナス1歳、つまり胎児の時から死ぬまで、人生のどの段階でもヘルスフードの出番があります」。
(Medical Nutrition36号より)
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