予防のための歯科健診を
 祥徳会サノデンタルクリニック 佐野忠雄理事長

国民の口腔保健と歯科疾患予防の認識が最近になって高まってきているが、その基本的な考え方や予防を行う意義の捉え方は人によって異なっているようだ。今後の歯科医療の重要なファクターとして考えられる「歯科予防」の概念について、祥徳会サノデンタルクリニック・佐野忠雄理事長に聞いた。


 食生活の偏りが歯科疾患の原因に

佐野氏は12年間におよぶ健診活動から、健康な歯を有する人の膨大なデータを解析、今までとはまったく違った予防法を提唱し、健診受診者に指導を行っている。

佐野氏によれば予防法のキーポイントは『カルシウム』と『咀嚼回数』。歯科疾患の根底には日頃の食生活、生活習慣が深く関わっていることが今までに判っており、現代人における歯科疾患の原因のひとつに食生活の偏りが問題視されている。

現在、歯科で行われている予防は、「患者の治療を前提とした二次予防に属する」と言う。「一次予防は生活習慣や食生活の指導を行うもので、この段階の患者の実状を把握し、予防対策を講じていかなければ歯科疾患の減少にはつながらない。大切なのは健康で歯科疾患を持たない人をターゲットに予防を訴えていくことだ」(佐野氏)。

 専門領域を越えた連携が不可欠

また、ここ数年間で口腔と全身との関係が重要視されるようになってきている。「糖尿病や骨粗鬆症等の内科的一次予防体系との連携の充実がこれからの歯科予防の構築には不可欠ではないか」と佐野氏は付け加える。

佐野理事長が組織する医療法人祥徳会は、2001年4月東京に国保組合直営の「歯科保健センター」を開設。この施設は予防・健診・診療の常設拠点として位置付けられ、そのなかでも予防健診に重点を置いた画期的な施設になるという。

歯科保健センターでは健診データ(健全歯・治療歯、歯石、歯周等の口腔情報)を診療方針に活かし、健診データと歯科レセプトとの統合を図り、その結果をもとに被保険者への適切・適正な診療を目指すという。

(Medical Nutrition 21号より)


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